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5分でわかるマーケティングフレームワーク【4P4C編】

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5分でわかるマーケティングフレームワーク「4C」「4P」

マーケティングフレームワーク「4P」と「4C」とは何か?

今回は、売る側の視点「4P」と、買う側の視点「4C」についてご紹介します。

まずこの2つのフレームワークですが、実は提唱された年代に30年以上の開きがあります。4Pをベースに考えられたのが4Cなのです。
マーケティングの最も基本的なフレームワークのひとつ「マーケティングミックス」が4Pであり、これは1960年代前半にアメリカのジェローム・マッカーシーという経済学者が提唱したフレームワークです。

4Pとは以下4つの言葉の頭文字であり、マーケティングをこの4つの要素に分解して組み立てたフレームです。

  • 製品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • 販促(Promotion)

マーケティングのもう1つのフレームワーク「STP」では、まず市場を細分化(セグメンテーション)し、次にその中からフォーカスすべきターゲットセグメントを決定(ターゲティング)し、そしてターゲットセグメントに対してベネフィットを宣言(ポジショニング)します。その中で4Pは、製品開発から販売プロモーションまでのフレームワークなどです。

4Pには必ずその前提となるSTPが存在し、そこで定義されたターゲットセグメントがすべての基準になります。この基準が存在しないとニーズのない製品やサービスをつくることになり、結果的にまったく売れなかったということが起きてしまいます。

ターゲットセグメントのニーズに対応した製品を開発し、最適な価格を設定する。そして最も効率的な流通網を構築し、効果的なプロモーションを展開することが大切なのです。

製品(Product)

製品開発(R&Dまたはマーチャンダイジング)は言うまでもなくビジネスの根幹です。ビジネスの基本「誰に何をいくらで売るか?」の、“何を”の部分がここにあたります。
製品サービスやアフターメンテナンスも含まれるため、多少製品のスペックは劣っても、顧客の求めるサービスを充実させることで勝てるチャンスはいくらでもあるのです。周辺の構成要素も含め、いかに魅力的な製品、サービスであるかが大切です。

価格(Price)

価格決定(プライシング)は非常に難しく、経営課題の1つです。
価格優位性は販売の現場で強い意味を持ちます。高い価格を付けて全く売れないこともあれば、安く設定して沢山売ろうとしても想定したほど大量に売れず、結局赤字になってしまうこともあるのです。
またBtoB企業の多くは代理店販売のため、代理店の営業が売りたい金額で設定する必要があります。

流通(Place)

販売方法(直販、代理店、オンラインなど)、つまりどういう流通経路で顧客に製品やサービスを届けることが最適か考えます。

4Pの「Price」と「Place」はどちらが先か、という議論がありますが、実際は流通が決まらないと価格を設定することはできないのです。

販促(Promotion)

このプロモーションの中には広報やPRも含まれており、イベント、キャンペーン、セミナー集客、Web、リスティング広告、メルマガ、プレスリリース、そしてカタログやパンフレットの制作管理などがあります。プロモーション活動だけを担当している方も、プロモーションはあくまでマーケティングミックスの中のひとつの要素であり、「何のためにやっていることなのか?」ということを常に意識することが重要です。

4Pと4Cの違い

マーケティングミックスというのはマーケティングの非常に重要なフレームワークですが、「4Pは古い考え方であり今は4Cの時代だ」とも言われています。
4Cは、1990年代にアメリカの経済学者のロバート・ラウターボーンという学者が提唱した4Pに対応した新しい概念で、マッカーシーが1960年代に提唱した4Pを顧客視点から以下のように再定義していることが特徴です。

 

4P 4C
製品(Product) 顧客価値(Customer Value)
価格(Price) 顧客にとっての経費(Cost)
流通(Place) 顧客利便性(Convenience)
販促(Promotion) 顧客とのコミュニケーション(Communication)

4Pが売る側(プロダクトアウト)の論理で製品や価格、流通チャネル、販売促進を考えているのに対し、4Cは全てを顧客視点(マーケットイン)で再定義しているのです。

これはBtoBでは特に重要です。BtoBが製品やサービスを購入する場合、それが購入企業側の課題を解決するものでなければ購入に至る事はありません。つまり、販売者がどんな製品を作ったかではなくその製品がどんな問題を解決してくれるかが重要であり、これはマーケットインの考え方なのです。例えば、製造業が仕入れ先を選定する際、製造ラインが止まるという最悪の事態を防ぐため、在庫状況やサービス要員の数、技術レベルが決定要因となるのです。

実はこれはBtoCでは当てはまらないことも多いのです。
コカコーラを飲む人のどんな問題を解決しているのかをロジカルに説明するのは難しく、どんな顧客価値があるかを考えてみても、好きだからというとってもエモーショナルな答えしか出てこないのです。BtoBはどこまで行ってもロジカルにはなりにくいのです。

ジェローム・マッカーシーが4Pを提唱してから約50年がたちます。
この間に市場や消費行動、企業の購入プロセスも大きく変化しました。激しくなる企業競争の中で最も進化したのは「より顧客の視点で」という考え方です。顧客の利便性を徹底的に追求した企業や製品が大きく伸び、これはまさに「マーケティングの進化」なのです。

企業にとって今最も重要な経営課題は、マーケティングの判断基準を自分の企業のターゲットセグメントに転換できるかどうか、ということです。これは、今まで「売る側」の論理だけで考えられてきたさまざまな仕組みを「買う側」の視点で再構築することなのです。