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当社代表庭山が、日本BtoB広告協会主催「グローバルコミュニケーション・シンポジウム」で登壇しました

イベント
日本BtoB広告協会主催「グローバルコミュニケーション・シンポジウム」で登壇

2020年2月21日、日本BtoB広告協会主催「第6回グローバルコミュニケーション・シンポジウム」が開催され、当社代表の庭山が基調講演とトークセッションで登壇させていただきました。
今回は、トークセッションの様子と、会場のお客様からのご質問、ご回答の一部を紹介します。

トークセッション

テーマ:グローバル展開で必要となるBtoBコミュニケーションとは

ホストスピーカー:愛知産業大学経営学部教授 山﨑 方義様

スピーカー:
横河電機株式会社マーケティング本部コミュニケーション統括センター センター長 瀬戸口 修様
シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎

マーケティングの概念は100社あったら100通り存在する。マーケティングは営業に組み込まれていて、販売促進をやっているのが当たり前という企業もあると思うが、案件創出という考えは根付いていないのか?

庭山

デマンドジェネレーション(商談機会の創出)を目的としたマーケティング機能を持つ企業は、全体の10%にも満たないのが現実です。そもそも、市場を見ている経営者が少ないことが問題ですね。BtoBマーケティングの教育が追い付いておらず、フレームワークの理解も不足しています。

マーケティングの教育が普及していないことは問題だと思っています。例えば、日本に本社(HQ)があるグローバル企業の担当者がマーケティングを正しく理解していないと、現地法人から上がってくるレポート内容が理解もできず、適切な指示が出せないという事態になり、結果的にHQが馬鹿にされてしまうのです。日本のHQは、世界のリーダーシップが取れるようにならなくてはいけないと思っています。

日本企業はゼネラリスト育成思考が強いが、マーケターはスペシャリスト育成が重要?

庭山

10年前と比べると危機感はあるが、まだ社内にはマーケティングのナレッジがないという状態です。特にBtoBのナレッジは少なく、どこにマーケティングの組織を置くべきなのか、マーケターに適正を持つ人材がどんな人なのかもわからない。本気でマーケティングの組織と仕組みをつくりたいが、何から始めていいかわからないという質問は本当に多いですね。

まず、マーケティングと営業を同格にすることは必須です。マーケティングと営業は、前工程と後工程の関係。前工程の仕事は後工程が評価するべきなのです。マーケティングを営業の下に置くと単なる雑用係になってしまい、マーケティングのナレッジは育たないでしょう。日本の組織は縦糸が強くて横糸がワークしておらず、これは機会損失に繋がります。横糸になるのがデマンドセンターであり、全社のデータを統合管理することは横糸を創るのと同義です。

マーケティングの成果が出るまでは、営業や事業部門の人たちは私たちを懐疑的な目で見てくるでしょう。でも私は、数字を創るという共通の目的があるマーケィングと営業は仲良くなれると思っています。

中央集権と地方分権。グローバル企業のマーケティング業務はそれぞれの国のやり方があるが、その辺りの苦労は?

庭山

コンテンツはローカルに権限を渡すべきです。これはインパクト重視のためでもあります。
一方、マーケティングのプロセスマネジメントなどは決めごとも多いですが、これはHQでやるべきです。

ツール選定もその1つです。良いか悪いかではなく、決めなくてはならないということです。
HQが意思決定せずにローカルが勝手に進める状態を例えると、47都道府県の知事が勝手気ままに幅の違う線路を引いてしまって繋げられない状態であり、これでは隣の県にも行くことができません。
ただ、決めなくてはいけないけど決められる人がいない、また決めるナレッジもない、という企業が多いのが現状ですね。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティング。お互いに学べるところはあるのでは?

庭山

フレームワークはBでもCでも、共通して使えるものが多いですね。
最近では、BtoBの専門家なので広告を知らない、というのは許されなくなってきました。そういう意味では、BとCは近づきづつあるのかもしれません。

BtoCは個人の趣味嗜好を管理、BtoBは組織と稟議プロセスを見る必要がある所が決定的に違います。BtoBの場合、個人も企業に所属する個人として管理する必要があります。

トークセッションの様子

会場からのご質問

2年前にマーケティングオートメーション(MA)を導入したが、全く使われておらず宝の持ち腐れになっている。一方で、欧州はMAを導入して活用している。MAの専任者が必要とは認識しているが、どうすればよいのか。

庭山

MA導入は、これまで5,000社が一度はトライしていますが、99%は成功していません。MAは案件創出のためのプラットフォームであり、少し厳しいですがメール配信だけは失敗です。最初は組織やノウハウ戦略もないため失敗して当然ですが、そもそも自社だけで全てやるのは無理なのです。個人情報を扱うため、失敗しながらノウハウをためるのは難しい。まずは、信頼できる外部の人に入ってもらって始めることをお勧めします。

また、グローバルで方針がバラバラだとノウハウがたまらないため、ツールとプロセスはHQ主導が決めることが必要です。

マーケティングに着手しているが、KPIもバラバラで部分最適にしかなっていない。どう進めるべきか。

庭山

横軸の組織(デマンドセンター)をつくらないと、部分最適のままですね。デマンドセンターのプロセスは4つだが、要素は「データマネジメント」「コンテンツマネジメント」「アナリティクス」の3つです。この3つを磨き、PDCAを回して横展開していくことが大切です。

プロのマーケターになるための心がまえとスキルは?

庭山

少し私の偏見も含まれますが、プロのスキルを磨くには仕事の質と量だと思っています。
良い仕事を数多くこなせる環境が必要です。量だけ多くても質が悪い仕事をしていては、スキルは落ちてしまいます。実際は、データをきれいにすべきことはわかっているがやり方は誰も教えてくれない、という状況が起こりがちです。良い環境に身を置くためには、転職も選択肢の1つです。

経営者は、社員に学ぶ機会をどれだけ与えられるかが重要で、これができなければ社員は辞めていくでしょう。育つ環境をつくることが大切です。

最近事業部でメルマガ配信を始めた。企画運営も含めて1人でやっているが他社はどうなんでしょうか?

庭山

私の知る限り、マーケティング担当が少ない所で2名、多いところは300名規模です。後者は全て自社でやっています。前者は外資系で、基本は完全外注ですね。最適解はその中間だと思いますが、自社がどんなマーケティングをやりたいかによりますね。