2020年1月、跡見学園女子大学マネジメント学部 展開ゼミナール(事業創造のマネジメント)のゲスト講師として、当社COOの丸山が登壇させていただきました。今回いただいたお題は、「事業を創るのは大変だけど楽しい〜事業創造とキャリアの話〜」です。
※以下、丸山講演からの抜粋です。
少し変わった私のキャリア
地元長野の進学校を卒業後に拓殖大学政経学部へ進学し、在学中に1年間オレゴン大学に留学した丸山。
「昔からこれがやりたい、という明確なものはなかった。拓大を選んだ理由は、受験が早く終わることと地元長野で受験ができるという不純なもの。留学に関しても、ほぼ思いつきです(笑)そんな経緯でしたので、これといった目的もなく行ってしまったのですが、そこで出会った多国籍の学生との交流や異文化に触れる機会、現地学生と過ごす日々は刺激的で楽しかったですね」
帰国後に卒業し、パソコンの周辺機器メーカーに入社した丸山。
「留学していたので大学3年で就職活動ができなかった上に、当時は就職氷河期と言われていた時代。かなり厳しい条件の中、物を売る力があれば何とかなるという漠然とした思いがあり、営業職に絞って活動しました。その後、縁あって内定をいただいたのがPC周辺機器メーカーでした」
期待を胸に入社したものの、配属されたのは営業事務。人事部長に説得されて営業事務に従事し、半年後にようやく営業に配属されました。その後、2年目で1億円の売上を達成してトップセールスの仲間入りを果たすものの、会社の評価は月給6,000円アップのみでした。
「正直愕然としましたね。こんなに頑張った結果がこれか、と(笑)頑張った分に見合った評価が欲しい、営業をやる以上、給与もその1つでした。『営業で戦える』『ベンチャー企業』『正当な評価が得られる』を条件に転職活動をした結果、出会ったのがBtoBに特化したマーケティングサービスを提供するシンフォニーマーケティングでした」
BtoBマーケティングの仕事とは?
マーケティングについて簡単に説明しましょう。
シンフォニーマーケティングでは、マーケティングを「売れる仕組みを創ること」と定義しています。
マーケティングを仕事にする人は「マーケター」と呼ばれます。
社名は知っているけどその会社の製品は買ったことがない、という会社は、ほぼBtoB企業ですね。
楽しいけどまぁまぁ大変なCOOの仕事
期待に胸を膨らませ(再)、シンフォニーマーケティングに入社した丸山。
「『さあ売りまくるぞ!』と意気込んだのもつかの間、そのシステムがまさかの開発失敗。悪いことは手を繋いでやってくるもので、その後もトラブルや退職が多発して赤字も続きました。ここまで来たら倒産を見届けてやろうと、半ば開き直りましたね(笑)」
その後は急場を何とかしのぎ、成長と後退を繰り返しながら、ようやく到達した会社の転換期。新システムも無事に稼働し、大手のお客様に採用され始めた頃から流れが変わってきました。
「何事も会社の成長のために始めることは簡単ですが、やらないことを決めるのはとても難しいですね。とにかく走り続け、目の前の課題を一つずつ解決してきた結果が今であり、ここまで到達するためのレールは誰も敷いてくれません。ずっと役に立ち続けるためにコア(会社の軸、主力)事業を大きくしていく以外に、近道はないのです」
そしてなにより、組織を創ることや人を育てることは正解がなく難しいと語る丸山。
「会社組織図のトップは社長が基本なのですが、ルールは存在せず、会社ごとに決めていくものなのです。言い換えれば、組織の創り方は誰も教えてくれず、自社に最適なものを自分たちで創っていくしかないのです。人のマネジメントの話をすると、自分自身が年上の部下を持つこと、部下にも年上の部下を持たせることは、慣れるまでは大変でしたね」
最後に事業を行う目的と、丸山自身の思いを話します。
「事業は会社の目的を達成するために行います。そして限られたリソース(人・モノ・カネ)の中で成果を出していかなくてはなりません。そして企業が成長を続けていくために利益を出す必要があり、決して楽な道ではありませんが、私は大変と楽しいは常に背中合わせだと思っています。例えば、
- ミスが起こることによってチームワークが強化されて信頼が生まれる
- やったことがない仕事を任されることにより新しい経験やスキルが付く
- 新サービスが売れず赤字を経験することにより、違うことを考えてより良いアイデアが生まれる
- 突然グローバル案件が始まることにより、英語を学び直すきっかけができる
など、自分次第で成長するチャンスは溢れていると思っています」
聴講生からの質問
Q.留学してよかったことは?
日々生活、学生同士の会話、異文化にふれたこと全てです。
Q.組織をつくること、社員の意識を合わせることは難しい?
シンフォニーは目指すべき場所をトップが明確に決めているので、大きなベクトル(方向性)は揃っていると思う。どんな組織でもトップの強い意志は一番大事ですね。
Q.前職で1億円達成した時にやったことは?
ある程度大きな売上が見込めた月に、戦略と先輩から伝授されたテクニックを用いて達成しました。営業はクリエイティブな仕事でコントロールが難しい側面もあり、その点では当時はまだ経験が足りていなかったと思います。
Q.大学時代にやっておくべきことは?
社会人になるとまとまった時間が取りにくい。時間がある時にしかできないことを楽しんで欲しいです。やはり旅行はおすすめ。勉強はもっと真面目にやればよかった、もっと読書もすればよかったと思っています。
Q.採用したい人材は?
明るく素直で真面目な人。××サークルの副部長を経験しました、というお話しをされる方も多いのですが、例えば今回のような講義に参加する機会があり自分はこんなことを感じたなど、もっと自分らしさを出しながら思いを伝えてくれると良いと思います。あとはやはり、どんな時でも笑顔でいる人は素敵ですね。
聴講生の感想
「大変なことと楽しいことはとなり合わせ」とおっしゃっていましたが、私にはそのような発想はなくいつもネガティブにとらえていた。発想の転換がとてもすてきだと思いました。質問にも丁寧にご回答いただけて嬉しかった」
「私は営業職を希望しており、自分が仕事をする際に大切にしようと思っていることは“どんな時でも笑顔で”ということだったので、笑顔が仕事によい影響を与えることをあらためて認識できた」
「今回の講義で一番印象的だったのは、楽しいことを仕事にするということでした。わくわくすることを仕事にして、生活を豊かにするために働きたいなと思いました」
「私もやりたいことがなくずっと考えていましたが、今回のお話しを聞いてできることから頑張ってみようと思いました。もっと早くにお話しを伺いたかったです。面接では素直に明るく話すことを心がけようと思いました」
「どんなことでも目標を立てることが大事だと思った」
丸岡先生のコメント
お忙しい中、ご講演いただきまして誠にありがとうございました。実体験に基づいて事業とキャリアのリアルをご紹介いただき、学生が経営と経営者の実際を学ぶ貴重な機会となりました。そして、「会社の目的を達成する」「限られた条件の中で成果を出す」「利益を出すことは大切」「どんな時でも笑ってやる」「成功するまでやり続ける」「大変と楽しいは背中合わせ」という丸山様のお考えが、学生たちにしっかりと伝わりました。あらためて御礼申し上げます。末筆ながら、シンフォニーマーケティング株式会社様のますますのご発展をお祈りしております。
跡見学園女子大学様、貴重な講演の機会をいただきありがとうございました。
跡見学園女子大学 アカデミックインターンシップ
2019年8月、シンフォニーマーケティング(以下SYM)では、跡見学園女子大学マネジメント学部2年生
3人のインターンシップ受入れを実施しました。