ABMの理想と現実

ABM Column
ABMの理想と現実

エンタープライズ企業が口々に言う「ABMに取り組みたい」

今までマーケティングに力を入れてこなかった日本企業も、既にデマンドセンターを稼働させマーケティングを行っている企業も、皆さん口をそろえて「ABM(Account Based Marketing)に取り組みたい」と言います。

当社の庭山が日本で初めてABMに関する書籍『究極のBtoBマーケティング ABM』(日経BP社)を出版したのは10年前の2016年。それから10年経った今、世界中のエンタープライズB2B企業が選択しているABMは、すでに効果を疑う必要がないほどに検証され、世界中に成功事例が多い強力なマーケティング戦略です。その証拠に、大手外資系企業のマーケティング予算は、ABMに振り分けられています。シンフォニーマーケティングが今年から加盟したグローバルB2Bマーケティング ネットワーク「BBN」での会話や提供サービス、そして各社が手掛けた事例も、ABMに関するものが多くを占めています。

日本の大手B2B製造業や大手B2BIT企業は、パレートの法則が極端に効いていて、上位10%の顧客で売上の90%を占めることが普通の状態です。“お得意様"との取引を太くしたい、新しい技術やサービスを採用してもらいたいという営業活動の方針に対して、今までのマーケティングに懐疑的だった企業の上層部が、ABMを知ることで自分たちの事業戦略と親和性が高いと感じ、「ABMをやりたい」という状況になるのは自然の流れと言えるでしょう。

ABMがうまくいかない原因とは

ABMを始めてみたものの、うまくいかない。もしくは、進まないというご相談を多くいただきます。いくつかの典型的な「行き詰まり」ケースを紹介します。

理想先行型の行き詰まり

A社は、中期経営計画に主要取引先とのビジネス強化を掲げていました。ある役員が「ABMこそ、わが社が取り組むべきマーケティングである」と提唱し、社内プロジェクトを発足させ、ABM推進チームを結成しました。しかし、半年経過しても具体的な進展はありませんでした。

A社は全社横断的なマーケティング組織を持たず、デマンドジェネレーションの実績・経験もありませんでした。ABMは経営戦略として、トップマネジメントの意思決定が重要です。しかし、実行に必要なデータ、インフラ、ナレッジが不足していました。

ABMはデマンドジェネレーションの進化形であり、その基礎なしに理想を実現することは不可能です。このケースでは、まずデマンドジェネレーションの基盤構築から始めなければ、ABMには取り組めません。

営業に寄り添い過ぎた行き詰まり

B社は、大規模なマーケティング部門を持ち、マーケティング経験も豊富な企業です。これまでデマンドジェネレーションを中心に活動してきましたが、競合の外資系企業に対抗するため、ABMへの取り組みを決定しました。まず、営業部門と協議し、ターゲットアカウントを選定してもらいました。
しかし、マーケティング責任者から「これらの企業をターゲットにして本当に成果が出せるのか?」という疑問が呈され、プロジェクトは停滞してしまいました。

B社は強力な営業力を武器に顧客を拡大し、事業を成長させてきた企業です。営業チームは数字を作ることが仕事であるため、担当領域内で顧客の予算規模を重視する傾向があります。これは営業活動としては正しいアプローチですが、ABMのターゲット選定で重要なのは「顧客の持っている予算(財布)の大きさ」ではなく「伸びしろの大きさ」なのです。

多くの企業がこの視点の違いを理解せず、ターゲットアカウントの選定を誤り、期待した成果を得られない失敗に陥ります。ターゲットアカウントの選定ミスは戦略の根本的な誤りであり、戦術レベルでのリカバリーは不可能です。このケースでは、アカウント選定からやり直す必要がありました。

日本企業がABMをキャッチアップし、成果を出すためには、正しいABM戦略とそれを実現するためのナレッジを持たなくては、具体的な成果を手にすることができません。
シンフォニーマーケティングでは、36年のエンタープライズ企業とのB2Bマーケティング実務経験とグローバルネットワークから得られる事例やノウハウを研修やワークショップそしてコンサルティングを提供し、さらに、ABM実行に必要なアウトソーシングによる実作業支援までを組み合わせたフレキシブルなプログラムでお客様各社のABMを加速させ、成果につなげるための支援を行います。
まずは、定期開催しているABMセミナーに参加してみてはいかがでしょうか?