勘と経験から「戦略」へ。真のOne Hitachiを担う営業組織の学び方

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勘と経験から「戦略」へ。真のOne Hitachiを担う営業組織の学び方

長い歴史を持つ企業が、なぜ今マーケティング教育に踏み出すのか。多くのB2B企業が「営業人材の育成」に頭を悩ませる中、間接販売を主軸に半世紀以上の実績を積み上げてきた株式会社日立産機システム様は、若手世代から段階的にマーケティング思考を浸透させるという道を選ばれました。

Top Runners今回は、部長職向け社内勉強会と入社3〜4年目の営業メンバー向け基礎研修を実施された同社の取り組みから、次世代の営業組織づくりのヒントを探ります。お話を伺ったのは、営業統括本部 営業企画統括部 販売促進企画部 部長の本間様、教育企画をご担当された同 教育・広報グループ 部長代理の瀬谷様、受講者としても参加された同グループの李様です。

間接営業に「プラスアルファ」を──真のOne Hitachiが求めるスキル

同社の販売構造は、特約店・販売店を通じた間接販売が約9割。直接お客様と対面するB2B営業は1割程度です。しかし日立グループ全体で「真のOne Hitachi」が掲げられ、個社を越えて複数の製品・ソリューションを組み合わせて提案する流れが鮮明になる中、営業現場に求められるスキルも変わりつつあります。

“従来の間接営業に加えて、お客様の課題を営業自ら把握し、引き合いまで提案する「直需的な営業スキル」を身につけていかなければなりません。これまでの営業活動に『プラスアルファ』が必要だと感じています。その担い手となる営業パーソンが当社にはまだ少ないため、そこを補っていきたいと考えています。”
(お客様インタビューから抜粋)

なぜ「3〜4年目」から始めたのか──段階的浸透という戦略

対象を入社3〜4年目に絞ったのは、これから新規開拓や顧客選定を自分たちで行う機会が増える世代だからです。中堅・ベテランは特約店との長年の付き合いや、担当製品工場に顔を利かせるやり方が身についている一方、若手はまだ既存のスタイルに染まっておらず、マーケティングを抵抗なく吸収できる。まず若手からスタートし、次に中堅・ベテランへと広げる段階的なアプローチが選ばれました。

3月に実施した幹部向け勉強会も、その布石でした。営業だけでなくサービス部門や工場に近い事業部の企画メンバーにも広げたところ、「マーケティング力が弱いのは認識していたが、自ら学ぶ機会がなかった」「営業以上にお客様のことを知っている庭山さんの話は説得力がある」といった声が寄せられ、「継続的にやってほしい」という要望も多かったといいます。

「面白い」が学びを加速する──専門会社ならではの視点

研修会社の選定にあたっては、専門会社であることへの期待がありました。マーケティングは定義が広く、これまで営業向けの教育に落とし込めていなかったという課題に対し、担当製品を題材にしたSTP分析などを通じて、自分の売り方や日頃の営業活動を見直す機会が生まれました。

瀬谷様が印象的だったと語るのは、アンケートの設問です。

“「講義内容が面白かったか」という設問は他社ではあまり見かけない問いですが、私は「面白い」と感じることが学びへの関心を高め、もっと「知りたい」という意欲につながり、人の成長を加速させると考えています。人は意外と単純で、楽しいことほど継続できます。実際、アンケートでも「面白かった」という回答が多く、狙い通りの結果だったと感じています。”
(お客様インタビューから抜粋)

受講者である李様からは、STPや4Pといったフレームワークで整理することで「なぜ機会を逃すのか、どう提案すべきかを理論的に考える重要性がわかった」との声。3〜4年間同じ製品を担当してきたメンバーが「他製品がどう売れるのか」という視点を得て視野が広がったという効果もありました。

また、通常は朝から夕方までの2日間という同社の定番を、4時間×2回(1日目午後スタート、2日目午前終了)に組み替えたことで、業務量の多い若手でも受講しやすい環境を実現。ワーク中心で会話のラリーをしながら一つのものを作り上げる形式は、若い世代にとって特に有効だったといいます。

分業・専門化する営業の「バックボーン」へ

今後、営業組織はチャネル毎の分業化・専門化が進む可能性があります。特約店担当や製品担当だけでなく、サブコン担当、設計事務所へのスペック対応担当、販売店ルート担当、事業所直需担当など、特化した営業へ。そうした変化に耐えられる「バックボーン」として、マーケティング研修を活用してほしいと本間様は語ります。

一方で瀬谷様は、個人のスキル向上と人が育つ環境づくりの両面が噛み合うには、もう少し時間が必要だと現実的に見ています。勘・経験・度胸を強みにしてきた世代と、データに基づいて成果を上げる世代——どちらのアプローチにも価値があり、それぞれの強みを取り入れながら成長していくことが大切だという視点です。

“これまで競合ではなかった企業が、ある日突然強力な競合として現れる時代です。企業規模が大きくなるほど変化への対応が難しくなり、市場の声も届きにくくなります。「大企業病」に陥らないためにも、マーケティング教育は必要な備えの一つだと考えています。”
(お客様インタビューから抜粋)

若い世代が学んだことを「ここで聞いたぞ」と思い出せる入り口を少しずつ広げ、やがて会社全体の力に変えていく。伝統ある企業が営業組織を進化させるプロセスは、同じ課題を持つ多くのB2B企業にとって示唆に富んでいます。
この機会にぜひインタビュー記事の全文をご覧ください。