今、多くのB2B企業がマーケティング部門を創り、MAなどのツールを導入してマーケティングを開始していますが、そのマーケティング活動が受注にほとんど貢献していないとクビをかしげています。
その理由のひとつがMA(マーケティングオートメーション)の認識の違いです。MAをメール配信ツールだと認識している人が多いのですが、それは違います。メールを配信しただけで受注に貢献できればこんなに楽なことはありません。しかし、受注はそんなに生易しいものではありません。
そしてMAはメール配信ツールより少し賢いので、さまざまなキャンペーンを簡単にデザインできます。これがスパムメールを量産する結果を招き、営業の足まで引っ張っているケースも見られます。
MAは、営業や販売代理店に良い商談を安定供給するためのプラットホームです。ですから、MA導入の成功の定義は「営業部門に良質の商談を十分供給できているか」であり、その先には年間の受注の〇〇%はMA由来の商談から獲得した、と定量的にレポートできることなのです。
では、そこまで進化するために何が足りないのでしょうか?
それは、マーケティングのナレッジです。MAの操作やSEOやアクセスログの分析ではなく、もっと根本的な自社のマーケティング戦略に対する理解、顧客の理解、自社の価値への深い理解などが必要になります。これが弱いマーケティングチームがMAを使うと、やたらと内容の薄いメールを量産することになります。それは受注の役に立たないばかりか、顧客から
「しつこいメールを送ってくる会社」
という烙印を押されてしまうのです。
Perspective of SYM : 研修事業を始めた理由
シンフォニーマーケティングが3年前に研修事業を始めた理由は、まさにMAが単なるメール配信ツールになってスパムメールを量産している現実に危機感を覚えたからです。
- 「マーケティングを学びましょう」
- 「ツールの操作ではなくマーケティング理論をきちんと学びましょう」
と言い続けてきましたが、日本にはB2Bマーケティングを学ぶ環境は存在しなかったのです。
実は海外でも、B2Bマーケティングは古典への原点回帰が始まっています。T・レビット、P・コトラー、P・ドラッカー、R・マッケンナ、D・ペパーズなどの古典的なマーケティング理論を学び直そうという機運が盛り上がっています。
日本企業も、せっかく創ったマーケティング部門を受注に貢献させるために、ナレッジに投資する時だと我々は考えています。