唯一の弱点は【マーケティング】
円安がさらに進み、国家の底力の下降が止まらないように見えます。今の高水準の株価が国の経済力だとは残念ながら誰も思っていないでしょう。世界から観れば「訪れてみたい魅力的な国」の筆頭なのに、我々日本人は国を誇れないでいます。その理由はひとつではありませんが、マーケティングのプロとしてはっきり判っていることがあります。
日本の多くの大手企業はたったひとつの弱点によって顧客や市場を失い、自信を喪失していることです。
その唯一の弱点は【マーケティング】です。
マーケティングの専門部署がない、チーフマーケティングオフィサーがいない、社内に体系的にマーケティングを学んだ人材がいない、外部に頼りにできるアドバイザーもいない。そのせいでMA(マーケティング・オートメーション)を導入してもメール配信しかできない、名刺をデジタル化しても名刺ホルダーのデジタル化で止まっていて、マーケティングでの活用はできていない。SFA/CRMを導入しても運用ルールも定着せずに業務日報のデジタル化で終わっています。
その一方で、STPすら行わずに技術本位で開発してしまい、まったく売れない新製品も多く、サービス化の掛け声で造られた新サービスは売り方が判らないためにさっぱり立ち上がっていません。そうして日本企業はどんどん自信を失っているように見えます。
でも、問題はマーケティングだけなのです。
基準はマーケティング偏差値60
技術開発でも、生産技術でも、日本企業は未だに世界から尊敬されています。私は世界中の企業を見ていますが、日本企業は何よりも人の質が本当に良く、それも信頼に繋がっています。こんなに勤続年数が長く、自分の会社や製品・サービス、技術にロイヤリティを持っている社員を数多く抱えている企業は海外には見当たりません。
今の日本企業は、例えて言えば大学受験の時、ほとんどの科目で67~70の偏差値を持ちながら、英語だけ41という受験生のようなものです。今のままだとその英語が足を引っ張って志望校には合格できません。しかし、不得意な英語をせめて偏差値60まで上げることができれば、英語が原因で不合格になることはなくなります。得意科目で点数を稼げば十分に志望校に合格できるのです。
その基準はマーケティング偏差値60だと考えています。
だから今、マーケティングへの投資が必要なのです。道具を買うのではなく、自分の会社のカルチャーに合わない人を外部から招聘するのでもなく、自社の人材のマーケティングナレッジに投資することが最優先だと思います。
そしてマーケティング偏差値が60になれば、日本企業はもう一度世界で輝くと私は心から確信しています。
諦めず、頑張りましょう!