顧客から見たシンフォニーマーケティングの価値のひとつに、「世界のB2Bマーケティングの先端情報をシェアしてくれる」というものがあります。
本当は企業内で頑張っているマーケターが、それぞれ海外のカンファレンスに参加して情報収集やネットワーキングを出来れば良いのですが、最低1週間の時間と、参加費に旅費・宿泊費まで含めると一人あたり100万円以上のコストが掛かりますので、なかなか難しいと思います。
そこで、丸山副社長と私が交互に海外のカンファレンスに参加し、その情報を顧客にお伝えするようにしています。
このレポートは今年の8月にシンガポールで開催されたB2B Marketing Leaders Forum Asia 2024の丸山副社長の参加レポートです。
お楽しみいただければ幸いです。
B2B Marketing Leaders Forum Asia 2024
今年の8月21日、22日の2日間、シンガポールで開催されたB2Bマーケティングカンファレンス、B2B Marketing Leaders Forum Asia 2024に参加してきました。200名を超えるB2B CMO とマーケティングリーダーが集まり、収益と成長を推進するビジネスリーダーとしての役割について共有し、話し合うカンファレスです。シンガポールでの開催は7回目とのことでした。
昨年は同じ主催のシドニー開催に参加しましたが、今年はアジアのB2Bマーケターと繋がり、現状を知るためにこちらに参加しました。
カンファレンスは、2日間で開催され、40人以上の登壇者による様々なセッションに参加できます。また、ネットワーキングの時間が何回も用意されています。参加者のほとんどは、グローバルB2B企業で複数の国を担当するマーケティングリーダーです。
Regional CMOとGlobal CMO
登壇したCMOの多くがRegional CMOというポジションにつく、アジア地域を統括するCMOの役割を持つ人たちでした。Global CMOと現地法人のCEOとのコニュニケーションについて、収益を上げるためにどのように取り組んでいるのか、ローカライズの話など、グローバル戦略の配下で求められる成果に対して、地域ごとの戦略をどう作り、戦術的にどう取り組むかなど具体的な各社の事例や個人の経験が共有されました。
B2B企業では、地域ごとに販売する商材やメインとなる商材が違うことから、マーケティングのローカライズに対するGlobal CMOとの対話が必要不可欠になり、求められる成果に対して、アグレッシブな交渉力が必要なスキルとなります。
ABMとバイヤージャーニー(Buyer Journey)
グローバル企業が多いシンガポールでも、B2BマーケティングはやはりABM一色。ブランドやコンテンツ、そしてリアルなイベントも含めて、ABM戦略を実現するためにどのプロセスでどんな施策をどんな目的で実行するか、営業との連携はどうするかなど、具体的な取り組みがテーマごとのセッションでも紹介されていました。
会場では、“バイヤージャーニー“というキーワードが多く聞かれた印象でした。バイヤージャーニーのプロセスや定義は、各社が各社のビジネスに合わせて定義していましたが、リードタイムが長いB2Bの購買プロセスを理解し、購入を決めてもらうまでを理解するためのフレームワークです。
当社のIGC Harmonicsのグローバルセッションでも、グローバルマーケターが意識していた、「購買の70%以上は営業担当と会話する前に終わっているという」(アジアでは80%以上とか・・!)を理解して、自分達のマーケティングを組み立ていました。
参加者のAI利用は“コンテンツジェネレーション”
イベントツールを利用して、会場の参加者にAIの利用に関するアンケートが実施されました。
参加者アンケートでは、マーケティングの組織として、AIの導入や利用に関する戦略、ロードマップがあると回答した人は25%程度で、組織的に利用するのはまだ慎重な印象でした。
ただ、業務をサポートするツールとしてAI利用は進んでいます。ここでも、AI利用の多くはコンテンツ制作でした。
日本市場への関心の高さと、聞かれた質問
「マーケターは話し好き」は日本でもシンガポールでも変わらず、です。各社のマーケターと話す中では、日本市場に対するアプローチの難しさや、日本のマーケティング担当者とのスキルや文化の違いからくる苦労話など、日本市場への関心の高さからか、今まで参加した海外のカンファレンスの中でもっとも多くネットワーキングしました。
話をしたほぼすべてのマーケターに聞かれたことは、「日本はビジネスでE-mail以外では何を使ってコミュニケーションしてるの?」という質問でした。
マーケティングリーダーに求められるもの
アジアのCMOからグローバルセールス&マーケティングオフィサーになった、テュフズード社のLiz Fendt氏の印象的な講演では、マーケティングのリーダーとして彼女の成功の秘訣である、
- 仲間をつくること(Build your tribe)
- 小さくはじめて、大きく拡大する(Start small. Scale Big.)
- 戦略的で先見性を持つ(Be strategic and visionary.)
- 成長することを優先する(Priorities personal and professional growth)
- ポジティブに(Maintain a positive presence.)
という話に、会場の多くのリーダーたちが共感し、彼女のセッションがとてもよかったという話が上がっていました。
今回のシンガポールで多くのマーケターが話していたことは、「グローバルスタンダード」な共通言語としてのマーケティングです。
実はこれらは私や庭山社長が欧米のマーケティングカンファレンスでいつも感じていることであり、シンフォニーマーケティングが主催するB2BマーケティングカンファレンスIGC Harmonicsで日本のマーケターに体感して欲しいと感じていることでもあります。
IGC Harmonics 2024でも、「B2Bマーケティングのグローバルスタンダード」をテーマにしていますが、シンガポールの今回のカンファレスでも、北米のカンファレンスでも、共通言語としてのグローバルスタンダードなマーケティングが語られ、私たちが目指していた方向が間違っていなかったことを確信できました。
今後も皆さまに有益な情報をIGCサービスメニューの中で、ご紹介・ご提供していきます。世界のB2Bマーケティングの最新情報にアクセスしたいと考える企業の皆様は、ぜひ、IGCメンバーシップサービスの活用をご検討ください。