「開催が待ち遠しい」というお声を多数いただいているIGC Harmonics2025。Day2は今年も海外のトップランナーをお招きして、激動するB2Bマーケティングの最先端を語っていただきます。
今回は、最近、日本でもよく耳にするようになった「RevOps」について、昨年のIGC Harmonics2024のDay2から、その源流には何があり、どう広がっていったかを、Steve Gershik 氏の講演で振り返ります。彼は、25年以上の経験と実績、知見を持つB2B マーケティングのエバンジェリストです。「The Rise of Revenue Operations」~成長のためのRevOps組織への変革~と題した講演は、日本のマーケティング、営業関係者には大変興味深い内容でした。
Revenue Operations(RevOps)は、アメリカの経済誌フォーブスによると、ビジネス界で最も急成長している職種です。ガートナーの調査では、58%の企業がRevOpsプロジェクトを検討しています。
RevOpsは、セールス、マーケティング、カスタマーサービス、カスタマーサクセスが共有データと一貫した目標に導かれ、ハーモニーを奏でる世界を実現します。RevOpsは、部門間でのデータ統合、プロセスの合理化、技術スタックの統合、カスタマージャーニー全体の最適化を意味します。最終的な目標は、収益の成長を最大化し、卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供することです。
歴史的に、成長機能は別々のサイロで運営されてきましたが、これでは戦略が断片化され、カスタマーエクスペリエンスも分断されます。SFA、MAといったツールが登場し、部門間のギャップを埋めましたが、完全な統合はできませんでした。そこで登場したのがRevOpsです。RevOpsは、セールスとマーケティングの連携にとどまらず、カスタマーサクセスや販売後のサポートなど、収益を生み出す全ての活動を統合します。
今日のB2Bセールスサイクルでは、複数の意思決定者が関与することで、検討期間が長期化します。また、自己主導型バイヤーの台頭により、営業が接触する前に広範なリサーチを行っており、アナリストファームのForrester社の調査では、カスタマーバイイングジャーニーの70%が、営業との接触前に完了しているとされています。この他にも、データ駆動型の意思決定が重要視されているなど、特に高額な長期契約が多い分野では、新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持と成長がより有益である場合が多いのです。このような複雑な現実、複数のチャネルを通じた自己主導型バイヤーのジャーニー、データ重視、そしてカスタマーサクセスへの注力に対応するためには、すべての接点が一貫している統合的なアプローチが求められます。ここでRevOpsが重要な役割を果たすのです。
従来のサイロ化されたモデルでは、部門間の連携が取れず、非効率なプロセスや重複作業が発生しがちです。RevOpsは、これらの課題を解決し、統一された戦略の下で部門間の連携を強化します。これにより、顧客は一貫した体験を得ることができ、企業は市場の変化に迅速に適応できるようになります。
RevOpsの導入には、目標と目的の明確化、現状の把握、RevOps機能の確立、プロセスの標準化と最適化、技術インフラの構築、KPIsの設定、データマネジメントとアナリティクスのベストプラクティスの文書化、モニタリングと継続的な改善が必要です。RevOpsを導入することで、収益成長や業務効率の向上が期待できます。
「B2B 収益拡大の未来はRevOps であり、その未来はあなたの組織でも明日から始めることができる」とSteve Gershik 氏はセッションを締めくくりました。
IGCサービスご利用の企業様は、コンテンツライブラリの「IGC Harmonics」カテゴリーで、具体的な事例も交えたSteve Gershik 氏の講演をノーカット版(日本語字幕付き)でご覧いただけます。この機会に、ぜひご覧になってください。