コンダクターとしてのCMOの役割

戦略 人材育成 CMO
コンダクターとしてのCMOの役割

CMO(Chief Marketing Officer)が担うべき役割とは

企業のマーケティング最高責任者であり、経営層として全社マーケティングの指揮を執るのがCMOです。

  • 経営方針、経営戦略に基づいた全社横軸のマーケティング戦略立案
  • マーケティング全体設計(DoV+STP、4P、Demand Generation)
  • 各施策のKPI/KGI管理
  • マーケティング関連部門(セールス/製品開発部門など)との情報連携、関係性の強化

といったマーケティング活動全般の戦略策定、舵取りを行います。

マーケティングの本場、米国ではCMOのポジションを置く企業は大半を占めます。一方コロナ禍によりマーケティングの認知がかなり拡大したといえる日本ですが、それでもCMOのポジションを置く企業はまだまだ少ないのが現状です。上場企業のような大手でもCMOどころかマーケティング組織自体が無い、もしくは設立から数年という組織が多く、まだマーケティングの効果や必要性が理解されていないため、コストセンターとして見られていることも多いです。
しかし、販売を強化・効率化していきたい企業にとって、経営戦略を理解し、全社との連携をしながら営業機会を創り出すマーケティングを執り行う役割、機能は今後ますます求められていくと当社は考えています。

日本企業には実務経験豊富なCMOは少ない

既にお話しした通り、CMOのポストがある大手企業が少ないことから、必然的にCMOを経験している人材の母数は少なくなります。将来的に自社のマーケティングをその指揮者であるCMOに任せることを前提とした場合、外部から採用するか、内部で育成/昇格させるかを検討する必要がでてきます。外部からの採用の場合、そもそも採用市場における母数が少ないため、上手く採用にこぎつけられれば良いですが、採用に苦しむことも予想されます。例えばマーケターの多い外資系企業から採用するケースでは、日本企業と組織の文化や使う言葉が全く異なるため、上手く考えが伝わらず、結果思わぬ社内の軋轢を生んでしまう、「社内で浮いてしまう」現象も珍しくありません。

一方で内部社員であれば、自社のことを良く理解しているため戦略理解や内部との協調はしやすく、マーケティングの経験を積ませることができれば、時間はかかりますが優秀なCMO候補になりえます。
こうした社内のリソースの育成・活用に今一度着目して、

  • 候補となるスタッフへの教育(アップスキリング・リスキリング)プログラムの見直し・構築
  • そのスタッフが活躍できるためのキャリアパス&組織の構築

を行い、候補者の目標とすることで「ありたい姿・あるべき姿」も明確となり、自社に最適なCMOの誕生にこぎつけることが可能となるのです。また、「こういったキャリアパスが自社にはある」ということを社内に証明することで、特に若手の社員モチベーションの向上、転退職の阻止にもつなげることが可能となります。