マーケティングは「もうける科学」

庭山 一郎 人材育成
マーケティングは「もうける科学」

マーケティングとは「もうける科学」

エンタープライズB2Bでは、マーケティングは「もうける科学」と表現することも出来ます。儲けはもちろん利益を指します。財務諸表で言うなら営業利益です。その源泉は売上総利益(粗利益)です。しかし、マーケティングという「もうける科学」が不得意な企業は売上を伸ばす手段として「値引き(ディスカウント)」を使います。これではいくら売上を伸ばしても利益に対しては貢献できないのです。

さらに、営業パーソンの数を増やす、営業拠点を増やすなども販売管理費を押し上げることはあっても利益が増えることはめったにありません。目論んだほど売上が上がらなければ膨らんだ経費が赤字を生むでしょう。
そこで「もうける科学」つまりマーケティングが必要になります。

「もうける科学」価値と価格の秘密の関係

実はB2Bにおいて価格は最優先課題では無い場合が多いのです。それどころか、マーケティングをプランする上では価格が高い方が売りやすいのです。人間は高い製品やサービスは無条件で「高品質」だと思います。説明が要らないのです。それに対して価格を安く設定すると「安いけど、品質は高いです、なぜならば・・・」と多くの説明を要します。

つまり、価値(バリュー)を正しく伝える事が出来ればディスカウントの必要など無い場合が多いのです。この考え方を表現した言葉は「バリュープロポジション」つまり価値の再定義であり、最適な組み合わせによる価値の実現なのです。

売上の源泉である「受注」を要素とプロセスで分解し、販売する製品やサービスの価値を正しく再定義し、そこをマーケティングと営業で役割分担しながら顧客に伝える事で、販売管理費を押し上げなくても売上を伸ばすことが可能になり、結果的に営業利益を増やすことができます。私がマーケティングを「もうける科学」と表現したのはそういう理由なのです。

先日、NIKKEIリスキリングの取材をうけました。【経営者のリスキリング「マーケティングが最強」の訳】と題して、記事が掲載されています。あわせて読んでみてください。

NIKKEIリスキリング
経営者のリスキリング「マーケティングが最強」の訳