「網」か「銛」か?デマンドジェネレーションと戦略的アプローチABMの違い
シンフォニーマーケティングでは、ABM(Account Based Marketing)を「全社の顧客情報を統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売上最大化を目指す戦略的マーケティング」と定義しています。
では、このABMとマーケターの皆様が日々行っているデマンドジェネレーションにはどのような違いがあるのでしょうか?
米国のカンファレンスなどでこの2つを比較するときに良く用いられるのが、
- デマンドジェネレーション=網
- ABM=銛
です。当コラムではこの違いを分かりやすくするために、お客様を「魚=獲物」として表現いたしますがご了承ください。
まずは、デマンドジェネレーションについて説明します。漁法の1つである、「定置網漁」を想像してください。この漁法は魚の通り道に定置網を仕掛けて、そこに入ってくる魚を捕らえます。マーケティングに置き換えると、展示会や営業名刺などでターゲットデータを収集し、データベースを構築。そのターゲットデータ全体に対してリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したタイミングをスコアリングによって識別し、有望見込み客リストを営業に供給する仕組みです。
定置網漁は効率的ですが、網を引き上げてみないと、入っている魚の種類や大きさが分からないため、営業に行ってみないと狙い通りの獲物かどうかが分からないという定置網漁と同様の弱点があります。
一方、ABMは巨大な「いけす」、もしくは「湾」に、漁獲したい魚の稚魚を放流し育てて、タイミングを見て、自分たちの欲しい種類とサイズの獲物を効率よく銛で突くというイメージです。マーケティングに置き換えると、あらかじめ定義されたターゲット企業のターゲット部署に所属するリードのみをマーケティングの対象とし、営業がアプローチしたい先をピンポイントで創出していくことです。
ABMを行うために必要なこととは
では、ABMを行うためにはどうしたらよいのでしょうか?
冒頭の定義のように、ABMは全社戦略となるので、上層部の強いリーダーシップが必要となります。そのうえで、高度なデータマネジメントとコンテンツマネジメント、そしてアナリティクスなどで構成されるデマンドセンター、つまり「いけす」のような仕組みがベースにあって初めて実現可能となります。