35年の感謝を込めて!

庭山 一郎 IGCサービス
35年の感謝を込めて!

2024年9月25日はシンフォニーマーケティング35回目の設立記念日でした

35年前に私1人で設立し、少しずつ少しずつ仲間が増えて約70名の会社になりました。企業の生存率は10年で5%、20年で0.3%、そして30年になると0.02%と言われています。この間に起きたことは本が数冊書けるほどです。
1990年、未だこの国にB2Bマーケティングの市場などかけらも無い時代に「B2Bマーケティングで日本を元気にする!」という燃えるような志で創業しました。

市場が存在しないことは判っていました。でも、近い将来必ずマーケティングが必要になる、それに気付いた日本企業はマーケティングのナレッジに投資を始めるだろうと考えたのです。

しかし現実は異なるものでした。多くの企業が社内セミナーや役員会での勉強会には呼んでくれました。もちろん総論賛成です。でも、現実に困っていない課題を解決するプロジェクトは始まりませんでした。また始まっても社内での優先順位はとても低く、それはアサインされた人材を観れば一目瞭然だったのです。

「いつか我が社もマーケティングが必要になるのは理解できました。でも今は受注に困っていないし、技術開発や生産技術など、優先課題が多いのです・・・」

「セミナーのアンケートはとても良く、勉強になった、学びになった、という答えが多かったのですが、では自分の事業部でやるか?という問いにはみんなNOなのです」

そんな時代が続きました。
現実に困っていないことへの先行投資はしなかったのです。シンフォニーマーケティングの初期のクライアントは北関東の金型製造業、試作用油圧プレス製造業、大型機械運送業、電子デバイス製造業などでしたが、採用いただいたサービスは「採用強化を目的としたCI(コーポレートアイデンティティー)」が大半でした。マーケティングには違いはありませんが、本来私が実現したかったのは受注への貢献です。
そこは完全に見込み違いで、今、困っていない課題に対して1時間の勉強会まではしてくれても、組織を造り、人を育て、ツールを導入するなどの投資をする企業はありませんでした。

大望を抱いてシンフォニーマーケティングを設立したものの、創業直後から倒産の危機に襲われる始末でプロのマーケターとして、完全に市場を読み違えたことになります。

それを救ってくれたのは外資系のハイテク、IT企業でした。
彼らは欧米に普通に存在するB2B専門のマーケティングサービス会社が日本に存在しないことに困っていました。B2CとB2Bは多くの点で異なっており、B2B企業はB2B専門のサービス会社を使う事が当たり前だった彼らからすると、これは致命的な問題となります。

弊社の生き残るチャンスがそこに在りました!

SAP、Dell、HP、アジレント・テクノロジー、ガートナー、アクセンチュア、ソリッドワークス、ラショナル、ジェネシス、AMD、ザイリンクス、ポリコムなどから仕事をいただき、会社を軌道に乗せることができました。

後になって、これが本当に幸運だったことに気がつきます。
これらの会社は各分野で世界のトップに君臨する企業であり、もちろんマーケティングも最先端の戦略を持っていました。日本法人のマーケティングチームは所属こそ日本法人でも、指揮命令系統は本社のCMO(チーフマーケティングオフィサー)です。本社のマーケティングチームがデザインしたグローバルスタンダードなマーケティング戦略を日本で実施しなければなりません。日本法人のマーケティングチームのリソースは限られていますから、外部ベンダーである我々にもそのマーケティング戦略の理解を求められました。つまり、お金をいただいて世界の最先端のマーケティング戦略や理論を学ぶことができたのです。

外資系企業が顧客の70%以上を占める状態が20年近く続きましたが、その間に多くのクライアントからマーケティング戦略と、それを実現するための戦術やそのために使うツールを学べたことは、その後の弊社を支える大きな財産になっています。

米国で始まったサブプライムモーゲージクライシス(リーマンショック)をきっかけに多くの外資系企業のレポートラインが本社からAPAC(アジアパシフィック)本社に切り替わり、マーケティング予算が大幅に削られたことを契機に、我々も製造業、IT産業などの日本企業の顧客が増えていきました。今では顧客の70%が日本の大手製造業で、国内、国外のマーケティングに関する「コンサルティング・アドバイザリー」「人材育成」「アウトソーシング」の3つのサービスを提供しています。

この3つも、設立直後から外資系企業の仕事を通して実務で学んだことがベースになっています。
今我々はこうした実務を通して学び、また欧米流のマーケティングを日本市場に適応するようにアレンジした理論を体系化し、それを人材育成プログラム(IGC:Symphony Marketing Intelligent Growth Club)に落とし込んでいます。

バブル経済がはじけた直後に設立してから35年が経ち、お陰様で会社も私もとても元気です!
そして35年前の「マーケティングで日本を元気にする!」という志の炎は未だ燃えています。
感謝です!

今後ともシンフォニーマーケティングをよろしくお願い申し上げます。