マーケティングは全社戦略
マーケティングとは「市場とその中の顧客を創造し、顧客との関係を維持し、拡大すること」です。
日本のB2B企業では早い企業で10年前から、そうでない多くの企業でもこの2〜3年でマーケティング部門を新設しました。しかしそれだけです。
せっかくつくった企業の未来を担うべきマーケティング部門が社内で浮いてしまっていて、ワークできないでいるのです。このままいくと受注に貢献することはできませんから、費用対効果は最悪の部門になります。
しかし、そのような理由で廃止したり縮小したりするなら、その企業に未来はないでしょう。なぜならそれはマーケティング部門の責任ではなく、業務分掌も決められず、正しい組織配置も、予算配分も、人的資源の配分もできない経営の責任だからです。
日本企業は技術の改良改善が得意ですから、それを生かして良い製品やサービスを生み出してきました。それらを販売する営業部門にも、優秀で情熱的なスタッフを数多く抱えています。オーケストラで言えば第一バイオリンと第二バイオリン、そして金管楽器は世界でも指折りの演奏力を持っているのです。チェロやコントラバスも悪くはありません。しかし、ファゴットやクラリネットなどの木管楽器はいません。
今までは木管楽器のパートのない曲ばかりを演奏してきたので必要なかったのですが、そろそろ交響曲を演奏しようとなりました。そうなるとフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットなどがどうしても必要になります。もちろん演奏能力が低ければ交響曲はうまく演奏できませんし、せっかくレベルの高いバイオリン奏者や金管楽器の奏者がいるのに、台無しになってしまいます。
ならばどうするか? レンタルで借りてくるか、ヘッドハントするか、育てるか、いずれにしても良いハーモニーで交響曲を演奏するには、レベルの高い木管楽器が必要なのです。
今の日本企業がまさにこれです。引き合い依存の中で、マーケティングなどなくても業績を伸ばしてきた戦後の50年が終わり、いよいよ世界標準のマーケティングを持たなければグローバルはおろか国内市場ですら戦えない状況になっています。
では、そのマーケティングの役割をどう設計したらよいのでしょうか?
その答えが、「売り上げの方程式」と「ホールファネル」なのです。
出典:儲けの科学 The B2B Marketing 庭山一郎著(日経BP)より
「売り上げの方程式」と「ホールファネル」について詳しくお知りになりたい方
【シンフォニーマーケティング メソッド】をご覧ください。