DoV-STP-M-Dという基本フレームワークを理解する

庭山 一郎 儲けの科学
DoV-STP-M-Dという基本フレームワークを理解する

B2Bマーケの全体像を表す「DoV-STP-M-D」

シンフォニーマーケティングのメソッドに「DoV-STP-M-D」というモデルがあります。これはB2Bマーケティングの全体像を表現したもので、その一つ一つが奥深い知識と経験を必要とします。

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STPの最初のセグメンテーションにも2次元と3次元があり、3次元セグメンテーションは、経験をベースにしたイマジネーションを必要とします。 マーケティングミックスの中のPlaceにはPRM(パートナーリレーションシップマネジメント)があり、これだけでも本1冊になるレベルのナレッジが必要になります。 また、値付けの中にはMDF(マーケティングデベロップメントファンド)の原資が入っていなければなりません。B2Bマーケティングは徹底的に実務の世界ですから、理解するには経験が必要になります。B2C企業に比べて、B2B企業のCMOやマーケティングマネジャーの年齢層がやや高いのは、そういう理由があるのです。 そして、この図にあるすべてのプロセスを理解して指揮を執れる人をCMOと呼びます。

まず何よりも「DoV(価値の定義:Definition of Value)」

日本企業がSTPを苦手とする理由は、製品やサービスを対象にSTPをしようとするからです。多くの企業は数多くの製品やサービスを持っています。一つ一つをSTPしていてはキリがありません。しかも顧客は複数の製品やサービスを組み合わせてオーダーしてきます。何が欲しいのかさえ分からなくなることがあるのです。
私は、エンタープライズB2Bでは製品やサービスではなく、「価値(バリュー)」をSTPの対象にすべきだとアドバイスしています。ですから、まず自社の提供する価値を定義しなくてはなりません。このプロセスを「DoV(Definition of Value:価値の定義)」と呼んでいます。



出典:儲けの科学 The B2B Marketing 庭山一郎著(日経BP)より



参考コラム
「日本企業に今必要なDoV(Definition of Value)」
「日本企業がSTPを行うことができない理由」