今回は、長瀬産業様の事例を通じて、社内でデジタルマーケティングを浸透、実施、そして組織変革までこぎつけるためのポイントを紹介します。
“企業文化そのものを変革しなければ、真のDXは実現できないと考えていました”(事例より引用)
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速しています。その中で特に注目、期待されている分野がデジタルマーケティングではないでしょうか。しかし、その取り組みを進める中、想定外の課題に直面している企業も少なくありません。
DX推進で浮き彫りになった2つの課題と、その解決に向けた取り組みを加速
長瀬産業様は2020年頃からデジタルマーケティングを起点としたDX推進の取り組みをスタートしています。しかし、一時的なシステム導入では真のDX化は実現されないと感じ、企業文化そのものの変革が必要だと判断しました。
課題1:全社的な意識改革の必要性
DXを成功させるためには、経営陣やマネジメント層を含む全社的な意識改革が不可欠です。ところが、上層部はこういった新しい流れ、変革といった社内の要望や説得にはなかなか聞く耳を持ってくれないものです。そこで担当者が考えたのは、外部の専門家の力を借りるという方法でした。
課題2:日本市場と海外市場のギャップ
2つ目の課題は、日本と海外のマーケティング施策の違いでした。欧米の現地法人で成功している施策をそのまま日本に持ち込んでも、国内では成果を上げられないケースをよく聞きます。これは日本特有のビジネス慣習や業界のならではの文化に適応できないことが原因と考えられます。
この2つを解決するためには、担当者は本社側がマーケティングを主導し、概念から再定義し直す必要があるという本質を見抜いたのです。
課題の解決に向けて、まずは役員層を対象にした勉強会を実施。そこで得た知見が社内に広がり、マーケティングを「会社全体で取り組むべき課題」として認識する機運が一気に高まります。また、弊社が主催した「IGC Harmonics 2024」に参加することで、他社の成功事例や苦労話に触れる機会を得たことも、大きな転機となりました。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉がありますが、社内の気運が高まった今こそ、行動を起こす絶好のタイミングです。当件を担当したマーケティング推進室は、各事業部を回って丁寧にヒアリングを行い、デジタルマーケティングの取り組み方について説明し、理解と協力を求めていったそうです。
長瀬産業様の取り組みは、企業がDXやマーケティングを成功させるために欠かせない要素、組織全体の意識と行動の変革を具体的に示しています。
この事例は、多くのB2B企業様にとって参考になるでしょう。