ABMは重要顧客から競合を排除する

庭山 一郎 ABM 法人営業は新規を追うな

大切な顧客から自社が排除されるか、それとも競合を排除するか

ABMは特定のターゲット顧客からの売り上げ最大化を目指す戦略的マーケティングです。売り上げを最大化するにはクロスセルとアップセルが必要です。

クロスセルとアップセルの定義については別章で説明しますが、基本的にはどちらも顧客との取引額を大きくすることを目的とした販売手法です。アップセルは、より高価格なものへの乗り換えをお勧めしたり、同じ顧客の他の事業所や部署にも導入してもらうように働き掛けたりするものですが、これだけでは最大化は難しいものです。

そこでクロスセルを仕掛けることになります。クロスセルは、顧客が購入してくれている商材と関連した製品やサービスを販売することです。人事給与システムを販売していた企業が勤怠管理システムやタレントマネジメントシステムを販売することはクロスセルです。この場合、顧客が今使っている勤怠管理システムは他社が販売したものですから、それを自社製品でリプレースすることになります。
つまり顧客から競合企業の製品・サービスを排除することになります。

実は、マーケティング先進国の企業がABMの強化やナレッジの習得に血眼になっているのはこの競合排除が強烈に作用するからです。大切な顧客から排除されるか、競合を排除するか、という戦いなのです。

世界はプラットフォームの戦いに向かっていますが、そのコアにはABMがあるのです。



出典:法人営業は新規を追うな 重要顧客と最高の関係を築くABM 庭山一郎著(日経BP)より



参考コラム
「法人営業は新規を追うな 重要顧客と最高の関係を築くABM」発刊によせて