ABMを再定義するに至った経緯とは
私は2016年に上梓した『究極のBtoBマーケティングABM』の中でABMを次の通り定義しました。
従来の定義 ABMとは
全社の顧客情報を統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売り上げ最大化を目指す戦略的マーケティング
これは当時、ABMを研究していた米国と欧州のBtoBマーケティングのオピニオンリーダーたちと話をしていたときに、4人の中の私を含めた3人がABMの本を書いていたことが分かり、そろそろ定義を決めようと話し合ってまとめたものでした。
本書でABMを以下のように再定義します。
新しい定義 ABMとは
特定の重要顧客と最良の関係を築くことで、強い顧客基盤を構築し、収益を最大化することを目的にした全社的なマーケティング戦略
本質的には同じですが、表現を大きく変更しました。再定義した理由は、従来の定義をしてから9年が経過し、世界でも日本でも、ABMは全社戦略であり、単に営業とマーケティングの連携では実現できないことが証明されたからです。そのために「全社的なマーケティング戦略」という表現を用いました。
またターゲットアカウントが、ワン・トゥ・ワン(1社)からワン・トゥ・フュー(2〜
30社)、ワン・トゥ・メニー(31社〜)にまで広がり、ターゲットアカウントという1社を想起させる言葉が合わなくなったことも再定義した理由の一つです。新しい定義では、ターゲットアカウントではなく「特定の重要顧客」としています。
「収益を最大化することを目的にした」としたのは、ABMが実は極めて理にかなった高収益を実現する戦略だからです。
出典:法人営業は新規を追うな 重要顧客と最高の関係を築くABM 庭山一郎著(日経BP)より

