この10年で枯れていった、マーケティング・営業テクノロジーたち
過去10年間で、SFA/CRM、CMS(コンテンツマネジメントシステム)、MA (Marketing Automation)、DMP、CDPなどのツール、テクノロジーが多くの日本企業で導入されました。しかし残念ながら、期待されたほどに成果を出せずに枯れていっている状態にあります。なぜでしょうか?
ここで私は断言します。決してこれらツールが悪かったのではありません。それを使う条件を整えられなかった企業側に問題があったのです。これは、海外や外資系企業の成功事例を日々分析・研究している結果からも明らかなことです。では、ここで言う条件とは何のことでしょうか。
ツール・テクノロジー選定に失敗しないための条件、「3S」とは?
その回答は、ロシア生まれの米国の経済学者であるイゴール・アンゾフ博士が提唱している「3S」の中にあります。
「3S」とはすなわち、『戦略(Strategy)』『組織(Structure)』『システム(System)』のそれぞれ“S”で始まる3つの要素です。
まずは『戦略』です。戦略を明確にすることで、そのツールを使う目的が明確になります。具体的には、「何に使うのか」「何をさせたいのか」という部分のことです。
続いて『組織』。「何に使うのか」が明確になれば、そのツールを使って目的を達成するためには、どんなスキルを備えた人材が何人必要かという組織、「誰が使うのか」を定義できるようになります。
最後は『システム』。目的とそれを実現する組織、つまり「何をしたいのか」と「誰が使うのか」が明確になれば、それがそのままツール選択の要件定義になります。そうすれば決して選定に失敗することありません。
まだ間に合う!日本企業に必要な「3S」
では、MAを導入した日本企業で、この戦略と組織が明確に定義され、その組織を構築できていたところはあったでしょうか?
私たちも日々、お客様からのご相談やコンサルテーションを通じて、「3S」の必要性を現場で説いていますが、残念ながら、戦略と組織がほとんど存在していないのが現状です。ここが問題の根源であり、ツールが活用できない原因の全てなのです。
アンゾフの「3S」を再認識することは非常に大切な事だと考えています。これからツールの選定、入れ替えなどを検討されている企業や部署のご担当者は、今からでも間に合います。ぜひこの「3S」戦略・組織・システムを今一度見直して、成果が得られる、失敗しないツール・テクノロジーの導入、活用を行ってください。
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