製造業におけるインサイドセールスの現状と課題
コロナウイルスの感染症拡大は、B2Bマーケティングのプロセスに大きな影響を与えています。その注視すべき1つがインサイドセールスの流行・拡大です。
中でも製造業ではこの傾向が顕著に表れています。その理由は、コロナ禍で今まで営業担当者が得意としていた対面営業で簡単に顧客と会えなくなってしまったことです。また、不安定な世界情勢に伴う取引関係の見直しなども重なり、本来の強みを活かせなくなってしまいました。
そこで困り果てた製造業が目を付けたのが、コールを活用したインサイドセールスです。
しかし営業担当者は、コールによるアポイント獲得は苦手だという話しをよく聞きます。とりわけ新規開拓のアポイントコールは、今までとは勝手が違うためか思い通りに商談へつなげられていません。その対策として、インサイドセールス部門を立ち上げたり、コール専門会社へのアウトソーシングが急増したのです。
ところが、この動きと並行して「インサイドセールスを開始してみたものの、思うような成果が出ていない」といったご相談をいただくケースが一気に増えました。
ではなぜ成果につながらないのでしょうか?その要因は大きく3つあると考えられます。
1. 自己満足なコミュニケーション
新規開拓のコールでは、業務経験を駆使したコミュニケーションをどうしても図ろうとしてしまいます。特に技術や製品の知識が豊富なだけに、顧客が求めていない営業トークを長々と話してしまうのです。しかし顧客はそんな話しを聞きたくありません。
2. コール要員を誰にすべきか?B2B商材の技術や製品の専門性をどうすべきか?
コール要員に誰を選ぶかといったこともとても重要ですが、成果がでなかった製造業に多く見られたのは、元開発担当者や営業成績が思わしくない担当者をコール要員にアサインしてしまった例です。 確かに、製品に関する専門知識はあるものの、安易な要員アサインでは、成果に繋げることはできません。
3. インサイドセールスをどの部署に置くか
インサイドセールスに“セールス“と名がついているため、多くの製造業は、営業の配下に置いていました。インサイドセールスチームは、マーケティングが絞りこんだリストを中心にコールをし、MQLを創出して営業に渡す重要な部門です。そのことを十分理解したうえで、組織を考えなければなりません。
後編では、製造業がインサイドセールスで成果を出すための活用法として、これらの要因をどう改善したらよいかについて解説します。