販売代理店活用のノウハウ「PRM」とは
PRMは「パートナーリレーションシップマネジメント」の略で、「チャネルマネジメント」とも呼ばれる販売代理店活用のノウハウです。
世界のB2B商材の70%は販売代理店を通して売られています。そういった理由でマーケティング先進国ではこのPRMの研究がとても盛んで、PRM専門のアナリストやコンサルティングファームも存在し、PRM専用のソリューションも100ブランドを超えます。
しかし、日本にはこうした情報もツールも入ってきていません。
先進国から大きく遅れた日本のB2Bマーケティングの中でも最も大きく遅れている分野が、このPRMかもしれません。
手離れが悪い日本製品
企業と企業で販売代理店契約を交わし、もう売れると安心して注文を待っている、のんきなメーカーの人を時々見かけます。もし外資系企業のようにPRM戦略を理解していれば、代理店契約の中に販売予算が明記され、それが達成できない場合のペナルティーや契約見直し条項も入っているものです。
また多くの場合、販売金額に応じて仕切り値が違いますから、そうなると多く販売している代理店は、競合した場合に値引きできる額が大きくなり、コンペでの勝率も跳ね上がります。もちろん販売金額が多いほどMDF(マーケティングデベロップメントファンド:代理店支援のための予算)も使えますから、それが企業の販売モチベーションを維持させるのです。しかし、日本企業の場合そうした縛りや条件がなく、ただ「売ってください、お願いします」という契約が多いのです。
そうなると実際に売るかどうかは、現場の営業の判断に委ねられてしまいます。営業がしっかり勉強してモチベーション高く売ってくれないと、顧客に情報が全く届かないことになります。では、どういう商材なら営業は売ってくれるのでしょうか?
販売代理店の営業パーソンと話していると、彼らが熱心に販売する商材の特徴が見えてきます。それは3つのポイントに集約されます。
出典:儲けの科学 The B2B Marketing 庭山一郎著(日経BP)より