たどり着いた答えはマーケティング・オーケストレーション

庭山 一郎 儲けの科学
たどり着いた答えはマーケティング・オーケストレーション

マーケティング・オーケストレーションは経営戦略

マーケティングは戦略であり思想であり企業文化です。これが希薄なことが大きな原因で、日本企業が行き詰まっています。私は、日本企業が今やるべきことは、マーケティングを企業の中心に柱として据え直し、全社最適の「マーケティング・オーケストレーション」に取り組むことだと考えています。

多くの日本企業は、生産技術や企業管理などのバックオフィス系はしっかり整備されています。先進国でも最低の生産性に陥っているのは、「フロント」と呼ばれる「稼ぐ」部分です。そこにはマーケティングとセールスとカスタマーサクセスがあり、これを連携させることがポイントとなります。簡単に言えばマーケティング部門と、セールス部門と、カスタマーサクセス部門と、ものづくり部門を、オーケストラのように配置し、各パートに全体構成を教え、指揮者としてのCMOを置きます。そして楽譜と指揮に合わせて見事に演奏できれば、経営者の書いた事業計画、つまり交響曲が素晴らしいハーモニーを奏でてくれます。そのハーモニーこそが収益なのです。

マーケティング・オーケストレーションの定義

シンフォニーマーケティングでは、この「マーケティング・オーケストレーション」を次のように定義しています。
「ビジネスのアイデアを、市場が最も価値を感じる形で製品・サービス化し、あらゆるリソース・ナレッジ・データ・テクノロジーを組み合わせ、全体最適で調和させながら、顧客を創造し、維持・拡大する経営戦略」

マーケティング・オーケストレーションは経営戦略です。研究・開発、設計、生産技術などのものづくりから、ブランディング、デマンド、そしてセールスや販売代理店のマネジメント、海外の現地法人やその代理店までの、すべてのマーケティング&セールス活動を全体最適で調和連係させ、最良のハーモニーを奏でることを指しています。

私が1990年に日本でマーケティングサービスの会社を設立した時、このオーケストラが交響曲を奏でるようなマーケティング・オーケストレーションを実現したいと考え、その思いを込めて社名に〝シンフォニー〟という言葉を冠したのです。



出典:儲けの科学 The B2B Marketing 庭山一郎著(日経BP)より



参考コラム
マーケティング・オーケストレーションという経営戦略